調査 計測ボーリング・エンパソル

水路トンネル上部の崩積土、空洞、ゆるみ領域および地質が判定可能

概要

計測削孔システムは、削孔機に各種センサーを取り付け、削孔しながら取得したデータをコンピューターで解析処理することにより、地質の分類、硬軟などを判定する技術です。 削孔方向に制約はなく、通常のボーリング調査と比べて調査スピードが速く調査時間を短縮できますので、調査時間が限定される水路トンネル上部の空洞や緩み域の特定などの調査に最適です。また、計測データから工学的指標であるN値に換算することにより、通常のボーリング調査ではできない全方向連続N値分布の推定が可能となります。

このシステムには、

  • 小型のロータリーボーリングマシンをベースとした『計測ボーリング』
  • 専用ロータリーパーカッションドリルをベースとした『計測パーカッションドリリング(エンパソル)』

があり、調査目的、調査箇所の状況等に応じて選択できます。

計測ボーリング

特長

一般的な小型のロータリーボーリングマシンをベースに、深度センサー、油圧センサー、回転計センサーおよび計測データ記録装置などから構成されます。1cmごとの連続データが得られることにより、細かな地盤の変化を修正N値として捉えることができます。『計測パーカッションドリリング』が適用できない小口径トンネル(トンネル径2m以上)にも使用できます。

用途

径2.0m以上のトンネル
 水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き)
 広域の地質調査水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き)
 土木構造物建設のための基礎調査(鉛直下向き)
 地盤改良前と後の改良度合いを把握するための調査 グラウトなど地盤改良の注入孔として利用

主な仕様・性能

使用機材
  • ボーリングマシン(1,930mm×860mm×1,380mm:280kg)
  • 1tクローラ(2,570mm×950mm×1,355mm:88kg)×3両編成
  • 発電機15~20KVA(1,500mm×680mm×1,050mm:580kg)
  • 照明、送風機
適用対象箇所
  • 径2.0m以上のトンネル ・鉛直下向き~水平~鉛直上向き方向
  • 地表部 ・鉛直下向き~水平方向
標準削孔速度
  • φ66mmノンコア :L=4m×2本/日(推奨)
  • φ66mmオールコア:L=4m×1本/日

実施例

水路内における鉛直方向の活用例

トンネル上部空洞や緩み域の把握 広域の地質調査 N値分布の詳細調査

計測パーカッションドリリング(エンパソル)

特長

クローラタイプの専用ロータリーパーカッションドリリングマシンをベースに、『計測ボーリング』と同様、計測センサーおよび計測データ記録装置などから構成されます。5mmごとの連続データが得られることにより、細かな地盤の変化を修正N値として捉えることができます。 ロータリーパーカッション方式を採用していますので(ビットは、クロスビット、ボタンビットを使用)、コアサンプリングはできませんが、削孔速度が非常に早いため、地質調査のほか地下水観測孔の掘削など削孔時間の大幅な短縮が可能です。

用途

径2.8m以上のトンネル
 水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き)
 広域の地質調査水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き)
 土木構造物建設のための基礎調査(鉛直下向き)
 地盤改良前と後の改良度合いを把握するための調査 グラウトなど地盤改良の注入孔として利用

主な仕様・性能

使用機材
  • ドリリングマシン:1台
  • 2tダンプ(4,690mm×1,695mm×1,980mm:2.8t)×3両編成
  • 発電機37KVA(2,000mm×880mm×1,250mm:1.2t)
  • 照明、送風機
機器の大きさ
  • φ83mmノンコア:L=5m×6本/日
標準削孔速度
  • 径2.8m以上のトンネル 鉛直下向き~水平~鉛直上向き方向
  • 地表部・鉛直下向き~水平方向

実施例

水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き) 広域の地質調査水路トンネル上部空洞・緩み域調査(鉛直上向き) 土木構造物建設のための基礎調査(鉛直下向き) 地盤改良前と後の改良度合いを把握するための調査 グラウトなど地盤改良の注入孔として利用